こんにちは、ホリデー株式会社 *1 の多田です。
先週土曜日の 2016/03/12 に、Think User First #3 - サービスデザイン手法のワークショップ(クックパッド編) というワークショップイベントをクックパッドオフィスで開催しました。
なぜワークショップ?
Think User First はサービスデザインに関するイベントで、今回のイベントを含めて3回行ってきました。第1回 と 第2回 のイベントではクックパッドからと Fablic *2 さんからそれぞれ2名ずつサービスデザインに関する発表とパネルディスカッションを行いました。この2回のイベントでは普段あまり社外の人と意見交換することがないサービスデザインについて取り上げることができましたが、各社がどのようなやり方でサービスデザインを行っているかという事例発表だけでは、いざサービス開発を実践する時に役に立つことが難しいのではないか、という思いがありました。そこで、今回のイベントでは発表という形式ではなく、実際にクックパッドでサービス開発時に使われているデザインフレームワークやその考え方の一部を体験できるワークショップ形式のイベントを開催することにしました。
イベント内容と当日の様子
イベントは午後から半日をかけて行われました。序盤にクックパッドでのサービス開発のやり方や考え方とデザインフレームワークの紹介をし、その後はグループワークでそのフレームワークを用いながらサービスの企画を行い、個人でプロトタイプ作成を行うという流れです。
クックパッドでは価値仮説、EOGS、ユースケースといったデザインフレームワークを用いながらサービスや機能の内容を詰めていきます。その過程ではデザインレビューが行われ、早い段階でそのサービスの価値について理解を深めることができます。その後は実際のアプリ等のプロトタイピングを繰り返しますが、その時にも最初にサービスの価値を言語化したことで、ぶれずにサービス開発を行うことができます。
紹介したクックパッドのサービス開発手法を体感してもらうために、今回は架空のペルソナを1人用意し、参加者の方々に生活の課題を解決する新規サービス(アプリ)を考え、プロトタイプを作成してもらいました。
まず最初に誰のどのような課題を解決するか、ということを考えます。サービスに関わる登場人物が多い場合は EOGS というクックパッド独自のフレームワークを使うことで、各登場人物全員の欲求を満たすことができるかということを検討しやすくなります。フレームワークを用いて言語化することで、人物、欲求、課題、解決法の関係がおかしくないかを自分自身で確認することができるだけでなく、他人にレビューして精度を高めることもできます。
解決すべき課題と方法について方向が決まったら、次はユースケース(ユーザシナリオ、ストーリー)を考えます。ここでユーザの行動フローを洗い出すことで、サービスとのタッチポイントがどこにあるのかを明確にすることができます。ポイントは機能ではなくストーリーで書くことで、機能ベースでなくユーザ視点の行動で書くことによって様々な解決方法を考えることや、既存の代替手段との優位性があるかの理解に役立ちます。
ここまでをグループで議論したあとは、個人でアプリのプロトタイプを作成します。サービスの価値やユースケースについて足並みがそろっていても、実際のプロトタイプでは人によって個性がでたことが面白かったです。解決方法やその表現に色々あることが実感できました。
最後に、各グループでどのようなサービスを考えどのようなプロトタイプを作成したか発表を行いました。各グループごとに方向性が違っていたり、似ていたり、方向性が似ていてもプロトタイプは異なっていたり、1人のペルソナから様々なアウトプットが出ていて興味深いものとなりました。
次の Think User First は…
今回はクックパッドの手法の紹介とそのワークショップでしたが、次回は Fablic さんのワークショップが行われます!connpass 上でイベントを作成する予定なので、興味がある方は connpass の Think User First グループ に入っていただけると、イベント告知時にお知らせが受け取れると思います。今回参加できなかった方も、ぜひご応募ください。
また、クックパッドと Fablic では世の中に価値を届けるサービス開発をしたい人を募集しています。興味がありましたぜひご応募ください。